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土地・境界に関するお役立ち情報 No.34
縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか
Question
最近、宅地を測量してもらったところ、登記簿の面積より少ないことがわかりました。
登記簿面積というのは常に正しいものだと思っていましたが、なぜ違うのでしょうか?
また、「縄延び、縄縮み」について説明して下さい。
Answer
縄延び、縄縮みが起こる要因には土地の歴史的な変遷が深く関わっている場合が多くあります。
日本で登記制度・土地台帳制度がスタートしたのは明治時代まで遡ります。
明治10年代から20年代初めのころ、短期間に測量して作られた土地台帳に土地の面積が書き込まれました。
それを元に昭和35年の登記簿と土地台帳が一元化されることになり、現代の登記簿に移行されることになりました。
(一元化になる前は、権利に関する事項が登記簿に記載され、面積等の表示は土地台帳に記載するというように分離して記録されていたのです)
したがって、明治時代の稚拙な測量技術で算出された面積が、そのまま現在の登記簿に反映している場合もあります。
一方、土地の面積は租税徴収の重要な資料でもあることから、当時の地主たちが意図的に少ない面積を報告して土地台帳に記載させていたこともあったことでしょう。
例えば、登記簿では200平方メートルの山林であったとしても、境界立会を行って実測してみたら、なんと2万平方メートルもあったということは良くある話です。
登記簿の面積は近年になって実施された測量によるもの、例えば土地区画整理法、土地改良法、国土調査法、地図整備事業等によるものは最新の成果になればなるほど正確な面積を表しています。
また、土地地積更正登記等が行われた土地、あるいは土地分筆登記が行われた分筆地は正しい面積を表わしています。
しかし、分筆後の残地が差し引き計算で処理している場合には、古い登記簿面積を引きずっていることになるので、必ずしも正しい面積を表しているとは言えません。
ご質問のケースはこれに該当しそうですね。登記所で地積測量図を閲覧してみると差し引き計算になっているかどうか調べることができます。
そのほかにも、隣地の人が何らかの理由で境界標を移動させたことがあるかもしれません。
あるいは道路工事の際に、抜いた杭を元の位置に戻さなかったこともあるかもしれません。
いずれにしても登記簿面積は常に正しいものとは限らないので、該当する土地の歴史や沿革を良く調査することが重要です。
以上のことをふまえながら、正しい土地の境界を調査・測量・登記することによって初めて登記簿は正しい面積を表すことができます。
詳しくは、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
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