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2024/05/01(水)

「登記できない建物」

☆☆☆☆「登記・測量のQ&A」☆☆☆☆

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◆登記・測量のQ&A 第019号
「登記できない建物」
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前回は「床面積に含まれない部分」についてお話ししました。
周囲に壁のないベランダやバルコニーの他、吹き抜け部分に設置された、手すりが付いている階段や、出窓の下部が床面と同一の高さにない場合には、床面積に算入しない事などをお話ししました。

今回は「登記できない建物」についてお話ししましょう。

問い
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知り合いからビニールハウスのような建物は登記できないと聞きましたが、どのような理由で登記できないのでしょうか?

答え
────────────────────────────────
建物を登記するためには、満たさなければならない要件があるのですが、ビニールハウスは、その要件を満たしていないために登記できないのです。

登記の対象となる建物の要件とは、次のようなものです。

(1)屋根および周壁などで外気を分断できること。
(2)土地に固定されていて容易に移動できないこと。
(3)永続的に使用できること。
(4)その建物の目的とする用途に使える状態にあること。
(5)独立した不動産として取引対象となりうるものであること。

これら全部を満足しなければ、建物として登記できません。
ビニールハウスの場合、屋根や周壁の部分がビニールで覆われているだけですから、耐久性に乏しく永続性にも欠けますので、登記できないのです。

しかし、屋根や周囲にガラスまたはガラス質の板がはめ込まれているような場合は、建物として認められます。

その他、登記の対象とはならない建物には次のようなものがあります。

・コンクリートブロックの上に設置された組み立て式の物置
→容易に移動できるので、定着性があるとは言えず登記できません。

・工事現場に設置されているプレファブの事務所や作業宿舎
→工事終了後に取り壊すことが予定されているので、永続性に欠けます。
 また、丸太杭の上に土台を置いて、鎹(かすがい)で固定しただけのプレハブ建物は、定着しているとはいえないので登記できません。

・住宅展示場のモデルハウス
→これも展示期間が終了すれば取り壊されますので、永続性に欠け、登記できません。

・建築途中の建物
→建築途中の建物は、その目的とする用途に使える状態にありませんので登記できません(建物が完成すれば登記できます)。

以上、身近な例について紹介しましたが、実際には、建物として登記できるかどうかの判断は、非常に難しい場合があります。詳しくは、お近くの土地家屋調査士におたずねください。

今回はここまでです。
次回は「主たる建物と附属建物」を配信する予定です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

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