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2009/04/22(水)

「筆界と所有権界」

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「筆界と所有権界」
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問い
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土地の境界には2種類あると聞きましたが、どういう事なのでしょうか?






答え
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土地の境界は「筆界」と「所有権界」に分類することができます。

まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地
番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。
筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、
「公法上の境界」とも呼ばれます。

次に「所有権界(しょゆうけんかい)」ですが、これは土地の所有
権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決める
ことができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。

例えば、参考図のように、変更前の境界(筆界)のままだと土地の
使い勝手が悪いので、お隣さんと話し合い、お互いに使いやすいよ
うに境界を変更したとしましょう。

参考図:
 

このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状
態の境界が所有権界です。

上記の例のような「筆界」と「所有権界」が一致していない状態の
まま放置しておくと、第三者に売買する場合や、本人が亡くなり相
続が発生した後等に境界紛争に発展しかねません。

ですから、お隣との境界を変更した場合には、登記(分筆・所有権
移転)をして、「所有権界」と「筆界」とを一致させておきましょう。