お役立ち情報バックナンバー
2013/08/22(木)
登記・測量のQ&A NO.116「筆界特定後の筆界標の設置」
■■■■登記の都築 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の都築 功です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
─────────────────────────────────
8月の上旬、家族で涼を求め、長野県の安曇野・白馬に旅行に行ってきました。
しかしながら安曇野も、全国的な猛暑のせいでしょうか、結構暑かったです。立ち寄った大王わさび農場では、名水百選湧水が流れる蓼川で冷た〜い水に足を浸しながらボートに乗り、しばし水上散歩を楽しみました。川沿いにある三連水車は黒沢明監督の映画「夢」の舞台になったそうです。木陰があり、水草や魚が見えるほど透明度の高い水・・・確かに絵になる風景でした。
2日目は、白馬五竜テレキャビンに乗ってまず「白馬五竜高山植物園」へ。そこから植物散策をしながら徒歩約20分、地蔵の頭と呼ばれる標高約1600mの地点を目指しました。
見た目はそれほどの山道でもないのに、上りは結構息が上がり日頃の運動不足を痛感。地蔵の頭から五竜岳や唐松岳、白馬三山の眺望を楽しみ下山しました。
自然を満喫できた今回の長野旅行。
泊った白馬のペンションのご主人によると、秋が特にお勧めだとか。
また、行ってみたくなるところです。
─────────────────────────────────
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
◆登記・測量のQ&A 第116号
「筆界特定後の筆界標の設置」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
前回は「筆界特定後の措置」について概要をお話ししました。
筆界特定がなされた場合、筆界特定の実効性を確保するため、また紛争の蒸し返しを防ぐためにも、必要な措置を講ずる必要があり、その具体的な内容をご紹介しました。
問い
────────────────────────────────
筆界特定による「筆界特定後の筆界標の設置」について教えて下さい。
答え
────────────────────────────────
不動産登記法では、筆界特定された筆界点に、筆界標(境界標)を設置することを義務づけた規定がありません。
なぜ境界標の設置規定がないのか詳しい説明はありませんが、それを補うために、筆界特定登記官は、筆界特定をしたときは、申請人・関係人に対し、永続性のある境界標を設置する意義および重要性について、適宜の方法で説明することとされています。
具体的には、筆界特定書の写しを交付する際に、境界標の設置の重要性について説明した書面を併せて交付するなどして周知がはかられます。
境界標の設置には費用とともに、関係する土地の所有者の承諾が必要となることから、運用面において申請人等に説明することにより、自主的に設置することを期待したものとなっています。
しかしながら、日常的に境界標の重要性を認識している私たち土地家屋調査士としては、この努力目標のような運用がとても残念でなりません。
土地家屋調査士の立場からアドバイスするならば、筆界特定書という書類や座標データのみで筆界特定を終わらせることは絶対に避けた方が無難だということです。
このような中途半端な状態では、何かあるたびに、いちいち筆界点を復元する測量作業が必要となり、多くの時間と無駄な経費がかさむことになります。
復元するために必要な基準点が、いつまでも無傷で残っている保障は全くなく、道路に設置した鋲などであれば、舗装工事や除雪作業で簡単に亡失してしまいます。そうすると、遠くの公共基準点を元に基準になる点の測量作業から、またやり直さなければならないこともありえます。
<最もお伝えしたい重要なこと>
────────────────────────────────
筆界特定に限らず、境界が決まったら、必ずコンクリート杭などの「境界標」を設置し、大切な境界を一目瞭然の状態にしておくことが、平穏な暮らしを守るための最善の策であることを、最後にお伝えしておきたいと思います。
────────────────────────────────
もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
今回で28回目の筆界特定に関するお役立ち情報でしたが、いかがだったでしょうか。少しむずかしい内容だったと思いますが、お付き合いいただきありがとうございました。
次回からは、一般的な土地家屋調査士の業務に関する内容を中心に、お役立ち情報をお届けいたしますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
次回は、「国有地の払い下げ」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
────────────────────────────────
私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
【発行所】
愛知県長久手市岩作向田22-2
都築測量登記事務所
土地家屋調査士 都築 功
TEL O561-64-2577 FAX 0561-64-2578
E-mail tsuduki@to-ki.jp
URL http://www.to-ki.jp/tsuduki/
バックナンバーリスト
2005/11/16(水) 新不動産登記法Q&A 第010号「土地の分筆登記が難しくなったって聞きましたが本当ですか?」
2005/11/02(水) 新不動産登記法Q&A 第009号 「法務局の地図が間違っていた時は、どうやって訂正すればいいの?」
2005/10/17(月) 新不動産登記法Q&A 第008号 「本人確認情報って、具体的にはどんな時に使うの?」その2
2005/10/03(月) 不動産登記法Q&A 第007号 「本人確認情報って、具体的にはどんな時に使うの?」
2005/09/15(木) 新不動産登記法Q&A 第006号 「改正前後で書面による申請に違いはあるのか」
2005/09/01(木) 新不動産登記法Q&A 第005号 「書面による申請はどうなるのか」
2005/08/16(火) 新不動産登記法Q&A 第004号 「オンライン登記申請の具体的方法とは」
2005/08/01(月) 新不動産登記法Q&A 第003号 「権利証の廃止について」
2005/07/14(木) 新不動産登記法Q&A 第002号 「オンライン登記所の指定とは」
2005/07/01(金) 新不動産登記法Q&A 第001号 「改正の背景と概要について」