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2005/11/02(水)
新不動産登記法Q&A 第009号 「法務局の地図が間違っていた時は、どうやって訂正すればいいの?」
■■■■■登記の都築「新不動産登記法Q&A」■■■■■
土地家屋調査士の都築 功です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
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11月には入り朝晩めっきり寒くなったこの頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
でも昼間は体を動かすには最適なシーズンですね。それに山々では紅葉が見頃になり、やりたい事、行きたい所がたくさんあるこの頃です。
11月は祝日もあり、子供達を連れてどこかへ行く事になりそうです。
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★★★★★「新不動産登記法Q&A」★★★★★
「第9回・法務局の地図が間違っていた時は、どうやって訂正すればいいの?」
問い
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亡父から相続した土地について、先日用があり、登記所へ登記簿謄本と図面を取りに行きました。その際地図に載っている私の土地の形が違うと感じました。
こんな時、地図を訂正していただけるのもでしょうか?
答え
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今回からは、具体的な事例をもとに書いていきますね。
登記所(法務局)には、土地や建物が誰のものか権利関係を載せた「登記簿」という帳面の他に、土地や建物の形状などが載っている図面や地図も保管していたってご存知でしたか?
今回の相談は、その登記所保管の「地図(公図)の訂正」についてですね。
基本的に「地図」の管理は、登記官が行うものとなっています。
と言いますのも、
この「地図」は、不動産登記法の第14条で、「登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。」と規定されており、登記官の権限で登記所に備え付けなければならないからです。
そのため、それら地図(及び建物所在図)などに記載されている内容に誤りがある場合には、登記官がその権限で訂正する事になります。
ここまで話を聞くと、地図の訂正は、登記官にお願いすれば出来るように聞こえますが、実はそうではなく、大きく2つのパターンに分かれます。
ひとつめは、軽微な訂正の場合
もう一つは、複雑な訂正の場合です。
1)軽微な訂正の場合
既に登記所に提出されている地積測量図や保管されている図面などの資料から、明らかに地図に誤りが発見できる場合です。
例えば、
・分筆線の記入を忘れていたり間違った線を入れてしまった場合
・地番の記入ミス
・合筆の際に土地の手入れを忘れてしまった場合
・旧土地台帳付属地図を作り直した時に筆界等を誤ってしまった場合
などをさします。
こちらは、登記官に直接(口頭または申出)お願いすれば登記所保管の資料をもとに訂正をしてもらえるタイプで、誤りを証明する図面類の提出は不要です。
2)複雑な訂正の場合
こちらは、登記所の資料では地図の誤りが発見できず、地図訂正することで、隣接の土地の区画又は位置若しくは形状にまで影響を与えるような場合を言います。
この場合、地図の訂正には、土地所在図や地積測量図などの資料をもとに誤りがある事を証明しなければなりません。
そして、地図訂正の多くはこちらの場合です。結果として地図訂正には誤りを証明する図面類を提出しなければなりません。そのため、改正不動産登記法では、地図訂正の申出人は土地の所有者かその承継人となりました。
と、ここまで駆け足で説明してしまいました。
今回の質問の案件が、軽微なものか複雑なものか推し量ることがでなかったので、一般的な答えとなってしまいました。
もし質問者の方が、以上の説明から軽微ではなく、複雑なものに感じてしまいましたら、まずは、お一人で判断なさらずに、お近くの土地家屋調査士に相談して、色々な視点から的確なアドバイスをもらった上で、地図訂正を進められることをお勧めします。
最後になりましたが、これら地図類も登記簿同様土地の形状を調査する際の重要な資料になります。そういう意味で「あなたの不動産を守る」ために、地図訂正も大きな意義を持っています。
次回は、「土地の分筆登記が難しくなったって聞きましたが本当ですか?」をお届けします。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
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【発行所】
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土地家屋調査士 都築 功
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