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2010/11/16(火)

第132回「国有地の払い下げ」

本 文
■■■■登記の加賀谷「土地建物の悩み相談Q&A」■■■■

こんにちは!
土地家屋調査士の加賀谷朋彦です。

12月4日(土)に、土地家屋調査士制度制定60周年事業として「とちぎ健康の森」講堂にて、「境界をめぐる諸問題」について「基調講演」「パネルディスカッション」が開催されます。午後1時からです。興味のある方は、是非ご来場ください。

このメールは私と名刺交換していただいた方、「かがや登記測量事務所」
http://to-ki.jp/kagaya/ からお役立ち情報をお申し込みいただいた方に、

身近な事例として登記測量に役立つメッセージをお届けしております。

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★★★11月[第132目]の悩み相談宅急便★★★2010.11.16
***「国有地の払い下げ」***

前回は「筆界特定後の筆界標の設置」について概要をお話ししました。

不動産登記法では、筆界特定された筆界点に、筆界標(境界標)を設置することを義務づけた規定がありませんが、筆界特定に限らず境界が決まったら、コンクリート杭など永続性のある「境界標」を設置し、大切な境界を一目瞭然の状態にしておくことが、最善の策であるというようなことをお伝えしました。

問い
──────────────────────────────
父から相続した土地に、古家を取り壊し建物を新築しようと準備しており
ますが、法務局で公図を調べてみたら、宅地を分断するように国有地があるのです。


祖父の代からこの土地(甲、乙、丙)を宅地として利用してきましたが、国有地があることは今回初めて知りました。

古家と同じ位置に家を建てるには、この国有地(丙地)を何とかしなければ建築計画に支障が生じるそうです。私はどうすればいいのでしょうか?


答え
──────────────────────────────
ここの土地には、もともと細い道路か水路があったようですね。
いずれも国有地で古い和紙の公図には、赤や青の色が塗られた細長い土地です。

それが、時間が経つにつれて現況が消失して宅地化が進み、必要な手続をしないまま今日に至ったと考えられます。

このような場合は、払い下げが可能かどうか調べて、可能であれば必要な手続きを経て自己名義で登記することが必要となります。

今回のような細長い土地(長狭物)を法定外公共物といいます。

法定外公共物とは、道路法、河川法等の適用又は準用を受けない公共物をいい、代表的なものとして「里道」「水路」があります。

平成12年に施行された「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)により、機能を有している法定外公共物 は、既に市町村に無償で譲渡が行われています。

また、機能を喪失したものは旧法定外公共物と呼ばれ、現在、国の管理下にあり、財務局等において境界確定・売払いを行っています。

以上のように市町村が管理している法定外公共物と、国が管理している旧法定外公共物の2種類がありますので、今回の土地がどちらで管理している土地なのか、まず市町村役場で確認することになります。

確認の結果、機能を有していなく、市町村が管理していない土地ならば、払い下げが可能な旧法定外公共物と思われますので、管轄する財務局で手続を進めます。

参考となる財務局のホームページです。
<旧法定外公共物(旧里道・水路)に係る土地境界確定申請のしおり>
http://www.mof-tohoku.go.jp/b5_kanzai/totikakuteisiori/totikakuteisiori.html

具体的な境界確定協議や払い下げ手続きは次のようになります。
<土地境界確定協議フロー>
http://www.mof-tohoku.go.jp/b5_kanzai/totikakuteisiori/p1.html
かなり複雑な手続になりますので、スムーズに進んでも3ヵ月から半年の期間が必要となります。

もうひとつ、払い下げ手続きで確認しておかなければならないのが、土地の売り払い金額の目安と、境界確定測量や登記に関する手続費用です。
財務局としては、案件が具体的に進まないうちは、簡単に土地代を教えてくれませんが、おおよその金額を把握しておくことは重要なポイントとなります。

また、手続費用についても、境界確定測量や登記に関する業務が全体で長期にわたる場合が多いので、支払い方法や精算時期についてあらかじめ協議しておく必要があります。

国有地の払い下げ手続きが完了し、国との土地売買契約が成立し、売買代金を納付すれば、土地表題登記、所有権保存登記をすることができます。

このような手続を経ることによって、あなたの土地として登記簿上に公示されることになります。

もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。

次回は、「30年前に建てた家は登記できるか」を配信する予定です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。


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私たち土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記測量の分野で深く関わっております。
今回のようなご相談は土地建物登記の専門家、土地家屋調査士をご活用下
さい。
お電話又はホームページからご連絡いただきますと無料でご相談をお受け
しております。
どうぞお気軽にご相談下さい。
http://to-ki.jp/kagaya/

【発行所】
あなたの街の登記測量相談センター
専任相談員 土地家屋調査士 加賀谷朋彦
事務所
〒320-0027宇都宮市塙田4丁目6番6号
(東和コンサルタント株式会社内)
TEL028-627-4311 FAX028-627-4447

【発行責任者】 加賀谷朋彦 かがやともひこ
ご意見・ご感想をお待ちしております。
kagaya@to-ki.jp

こちらのホームページも是非ご覧下さい。
http://www16.ocn.ne.jp/~kagaya/

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2010.11.16
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