お役立ち情報バックナンバー

2022/06/01(水)

土地建物のお役立ち情報 第35号 「縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか」

☆☆☆☆土地建物のお役立ち情報「登記・測量のQ&A」☆☆☆☆

土地家屋調査士の高橋昇です。
いつもご愛読ありがとうございます。
暑さもいよいよ本格化してまいりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?私は暑さ対策の一環として、本日は現場測量作業の開始時間を午前六時にし、暑くなる前に作業を終えて参りました。私達、土地家屋調査士は夏場でも、現場での測量作業を避ける事は出来ませんので、せめてもの暑さ対策と言ったところでしょうか…
今年も暑くなるとの事ですので、私は無い知恵を絞り、工夫し、夏を乗り切ろうと思っております。皆様もどうかご自愛ください。

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◆登記・測量のQ&A 第0035号
「縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか」
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★★★★★「縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか」★★★★★


問い
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最近、宅地を測量してもらったところ、登記簿の面積より少ないことがわかりました。

登記簿面積というのは常に正しいものだと思っていましたが、なぜ違うのでしょうか?

また、「縄延び、縄縮み」ということを具体的に説明して下さい。

答え
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縄延び、縄縮みが起こる要因には土地の歴史的な変遷が深く関わっている場合が多くあります。

日本で登記制度・土地台帳制度がスタートしたのは明治時代まで遡ります。

明治10年代から20年代初めのころ、短期間に測量して作られた土地台帳に土地の面積が書き込まれました。

それを元に昭和35年の登記簿と土地台帳が一元化されることになり、現代の登記簿に移行されることになりました。

(一元化になる前は、権利に関する事項が登記簿に記載され、面積等の表示は土地台帳に記載するというように分離して記録されていたのです)

したがって、明治時代の稚拙な測量技術で算出された面積が、そのまま現在の登記簿に反映している場合もあります。

一方、土地の面積は租税徴収の重要な資料でもあることから、当時の地主たちが意図的に少ない面積を報告して土地台帳に記載させていたこともあったことでしょう。

例えば、登記簿では200uの山林であったとしても、境界立会を行って実測してみたら、なんと2万uもあったということは良くある話です。

登記簿の面積は近年になって実施された測量によるもの、例えば土地区画整理法、土地改良法、国土調査法、地図整備事業等によるものは最新の成果になればなるほど正確な面積を表しています。

また、土地地積更正登記等が行われた土地、あるいは土地分筆登記が行われた分筆地は正しい面積を表わしています。

しかし、分筆後の残地が差し引き計算で処理している場合には、古い登記簿面積を引きずっていることになるので、必ずしも正しい面積を表しているとは言えません。

ご質問のケースはこれに該当しそうですね。登記所で地積測量図を閲覧してみると差し引き計算になっているかどうか調べることができます。

そのほかにも、隣地の人が何らかの理由で境界標を移動させたことがあるかもしれません。

あるいは道路工事の際に、抜いた杭を元の位置に戻さなかったこともあるかもしれません。

いずれにしても登記簿面積は常に正しいものとは限らないので、該当する土地の歴史や沿革を良く調査することが重要です。

以上のことをふまえながら、正しい土地の境界を調査・測量・登記することによって初めて登記簿は正しい面積を表すことができます。

次回は「境界標の種類について」です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

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【発行所】
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土地家屋調査士 高橋昇

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