お役立ち情報バックナンバー
2016/02/04(木)
登記・測量のQ&A NO.228「違反建築物は登記できるか」
■■■■登記の都築 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の都築 功です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
◆登記・測量のQ&A 第228号
「違反建築物は登記できるか」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
前回は、「プレハブ建物の登記」について概要をお話しました。
今回は、「違反建築物は登記できるか」について概要をお話しします。
問い
------------------------------------------------------------------
15年ほど前に建築した建物があるのですが、容積率をオーバーしていたため建築確認を受けておらず、登記もしていませんでした。
容積率をオーバーした状態は今も変わっておらず、建築基準法に違反した状態のままですが、この建物は登記できるでしょうか?
答え
────────────────────────────────
建築基準法に違反した状態であっても、不動産登記法による建物の認定要件を備えていれば、登記をする必要があります。
建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めることで、国民の生命や財産の保護を図ることを目的としています。
一方、不動産登記法は、不動産の現況と権利関係を公示することで、不動産取引の安全を図るのが目的です。
ですから、建築基準法上は違反建築物であっても、不動産登記法上は現況と権利関係を明らかにしておく必要があるというわけです。
尚、建物の登記の際には所有者であることを証明する書類の添付が必要となりますが、通常は建築確認書や検査済証を使うのが一般的です。
今回のケースでは、建築確認書も検査済証もありませんので、それに代わるものとして固定資産税登録事項証明書や、工事施工者の工事完了引渡証明書、借地上の建築であれば敷地所有者の証明書等を使って登記することができます。
ただし、違反建築物には、行政庁から除却措置命令が出されたり、金融機関からの融資がうけられない場合がある等のリスクが伴いますので注意が必要です。
その他、登記できるかどうかの判断には専門的な知識が必要ですので、詳しくは、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
以上、違反建築物の登記について簡単にご紹介しました。
今回はここまでです。
次回は「仮換地上の建物の登記」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
────────────────────────────────
私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
【発行所】
愛知県日進市梅森台二丁目260番地
梅森ビル2階 日進測量設計(株)内
土地家屋調査士都築功事務所
土地家屋調査士 都築 功
TEL O52-848-8373 FAX 052-848-8374
E-mail tsuduki@to-ki.jp
URL http://www.to-ki.jp/tsuduki/
バックナンバーリスト
2014/05/22(木) 登記・測量のQ&A NO.146「区分建物とは」
2014/05/16(金) 登記・測量のQ&A NO.145「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」
2014/05/09(金) 登記・測量のQ&A NO.144「ADR境界問題相談センターとは」
2014/05/02(金) 登記・測量のQ&A NO.143「認定土地家屋調査士とは」
2014/04/25(金) 登記・測量のQ&A NO.142「土地家屋調査士とは」
2014/04/18(金) 登記・測量のQ&A NO.141「位置指定道路とは」
2014/04/04(金) 登記・測量のQ&A NO.140「幅員3メートルの市道、道路後退必要か」
2014/03/28(金) 登記・測量のQ&A NO.139「雑種地とは・宅地への変更可能か」
2014/03/20(木) 登記・測量のQ&A NO.138「分譲マンション土地の持分は」
2014/03/14(金) 登記・測量のQ&A NO.137「ビニールハウスは登記できるか」
2014/03/06(木) 登記・測量のQ&A NO.136「傾斜地がある土地の境界線はどこか」
2014/02/27(木) 登記・測量のQ&A NO.135「二世帯住宅の建物登記」
2014/02/20(木) 登記・測量のQ&A NO.134「道路対向地でも境界立会が必要か」
2014/02/07(金) 登記・測量のQ&A NO.133「境界立会への協力は必要なのか」
2014/01/31(金) 登記・測量のQ&A NO.132「保留地とは何か」
2014/01/24(金) 登記・測量のQ&A NO.131「休耕田の地目変更は可能か」
2014/01/17(金) 登記・測量のQ&A NO.130「土地を分割して相続させたい」
2014/01/10(金) 登記・測量のQ&A NO.129「土地の境界石は信頼できるか」
2013/12/20(金) 登記・測量のQ&A NO.128「通行地役権を設定したい」
2013/12/13(金) 登記・測量のQ&A NO.127「違反建築でも建物登記は可能か」