お役立ち情報バックナンバー
2008/03/26(水)
「登記できない建物」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「登記できない建物」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
問い
─────────────────────────────
知り合いからビニールハウスのような建物は登記できないと聞き
ましたが、どのような理由で登記できないのでしょうか?
答え
─────────────────────────────
建物を登記するためには、満たさなければならない要件があるの
ですが、ビニールハウスは、その要件を満たしていないために登
記できないのです。
登記の対象となる建物の要件とは、次のようなものです。
(1)屋根および周壁などで外気を分断できること。
(2)土地に固定されていて容易に移動できないこと。
(3)永続的に使用できること。
(4)その建物の目的とする用途に使える状態にあること。
(5)独立した不動産として取引対象となりうるものであること。
これら全部を満足しなければ、建物として登記できません。
ビニールハウスの場合、屋根や周壁の部分がビニールで覆われて
いるだけですから、耐久性に乏しく永続性にも欠けますので、登
記できないのです。
しかし、屋根や周囲にガラスまたはガラス質の板がはめ込まれて
いるような場合は、建物として認められます。
その他、登記の対象とはならない建物には次のようなものがあり
ます。
・コンクリートブロックの上に設置された組み立て式の物置
→容易に移動できるので、定着性があるとは言えず登記できません。
・工事現場に設置されているプレファブの事務所や作業宿舎
→工事終了後に取り壊すことが予定されているので、永続性に欠けます。
また、丸太杭の上に土台を置いて、鎹(かすがい)で固定した
だけのプレハブ建物は、定着しているとはいえないので登記でき
ません。
・住宅展示場のモデルハウス
→これも展示期間が終了すれば取り壊されますので、永続性に欠
け、登記できません。
・建築途中の建物
→建築途中の建物は、その目的とする用途に使える状態にありま
せんので登記できません(建物が完成すれば登記できます)。
以上、身近な例について紹介しましたが、実際には、建物として
登記できるかどうかの判断は、非常に難しい場合があります。
┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌
┌
┏━━━┓土地を識り、人と社会につくす地識人
┃\_/┃土地の境界測量・建物新築登記の専門家
┗━━━┛土地家屋調査士 守 田 靖 昭
〒813-0012
福岡市東区香椎駅東三丁目4番4号
TEL 092-405-8434
FAX 092-405-8435
http://www.to-ki.jp/morita/
「登記の守田」で検索
morita@to-ki.jp
┘
┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
バックナンバーリスト
2010/11/13(土) 「運河用地とは」
2010/10/29(金) 「境内地とは」
2010/10/11(月) 「墓地とは」
2010/09/30(木) 「土地家屋調査士とは」
2010/09/13(月) 「調査士法人とは」
2010/08/24(火) 「公嘱協会とは」
2010/08/09(月) 「調査士会連合会とは」
2010/07/28(水) 「調査士会とは」
2010/07/13(火) 「代位登記とは」
2010/06/27(日) 「嘱託登記とは」
2010/06/14(月) 「職権登記とは」
2010/05/27(木) 「登記所とは」
2010/05/10(月) 「登記官とは」
2010/04/29(木) 「中間地目とは」
2010/04/14(水) 「原野とは」
2010/03/30(火) 「牧場とは」
2010/03/15(月) 「山林とは」
2010/02/27(土) 「池沼とは」
2010/02/11(木) 「鉱泉地とは」
2010/01/29(金) 「塩田とは」