• 加賀谷朋彦土地家屋調査士事務所 トップページ
  • お役立ち情報バックナンバー

お役立ち情報バックナンバー

2008/07/01(火)

第86回「分筆できない土地」

■■■■登記の加賀谷「土地建物の悩み相談Q&A」■■■■

こんにちは!
土地家屋調査士の加賀谷朋彦です。

この時期、雨の少ない日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、今年度初めてですが、宇都宮地裁から境界確定訴訟における境界鑑定依頼がありました。この業務は、われわれ土地家屋調査士が日常行っている業務の延長線にあると感じておりますが、土地の創生期ともいえる地租改正時期から沿革を調査し、空中写真、地形、占有状況、及び公図、測量図、地形図等の多くの客観的資料を収集して、「境界」を現地において鑑定するものです。われわれにとって非常にやりがいのある業務です。

このメールは私と名刺交換していただいた方、「かがや登記測量事務所」
http://to-ki.jp/kagaya/ からお役立ち情報をお申し込みいただいた方に、

身近な事例として登記測量に役立つメッセージをお届けしております。

配信の申込み・変更・解除はこちらです。
http://to-ki.jp/kagaya/info.html

★★★7月[第86回目]の悩み相談宅急便★★★2008.7.1
******「分筆できない土地」******

前回は「合筆の場合の地番の付け方」についてお話ししました。
合筆した土地の地番は、合筆前の首位の地番をもってその地番とすること、
合筆の登記には制限事項があることなどをお話ししました。

今回は「分筆できない土地」についてお話ししましょう。


問い
──────────────────────────────
土地の分筆は、その土地の所有者の意思でできると聞きましたが、分筆が制限されることは無いのでしょうか?


答え
──────────────────────────────
土地の分筆に関しては、法律には明確な制限事項はありません。

しかし実務上は、分筆後の土地の地積が0.01平方メートル未満となる分筆登記は、申請することができないとされています。

その理由としては、次のようなものがあります。


(1)土地の登記簿には、土地の地積が表示されますが、地積を表す際の最小単位は「一平方メートルの百分の一」(0.01平方メートル)で、それ未満は切り捨てられることになっています。

例えば、実際に0.0099平方メートルの土地があったとしても、登記簿には「0.00平方メートル」と表示されることになります。

ですから、地積が0.01平方メートル未満となる分筆登記は、申請することができない、と解釈する事ができます。


(2)分筆登記がなされると、公図(地図)にも分筆した線が引かれます。

例えば、正方形をした0.01平方メートルの土地があったとすると、その土地の1辺の長さは、0.1m(10cm)になります。

この土地を、縮尺 1/500 の公図(地図)に書き込んだとしたら、図上では、1辺の長さが 0.2mm になってしまいます。

これでは公図(地図)から現地を特定することはできません。
ですから、地積が0.01平方メートル未満となる分筆登記は、申請することができない、と解釈する事ができます。


以上、分筆登記を申請できない場合について簡単にご紹介しましたが、もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。


今回はここまでです。
次回は「合筆できない土地」について配信する予定です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。


-----------------------------------------------------------
私たち土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記測量の分野で深く関わっております。
今回のようなご相談は土地建物登記の専門家、土地家屋調査士をご活用下
さい。
お電話又はホームページからご連絡いただきますと無料でご相談をお受け
しております。
どうぞお気軽にご相談下さい。
http://to-ki.jp/kagaya/

【発行所】
あなたの街の登記測量相談センター
専任相談員 土地家屋調査士 加賀谷朋彦
事務所
〒320-0027宇都宮市塙田4丁目6番6号
(東和コンサルタント株式会社内)
TEL028-627-4311 FAX028-627-4447

【発行責任者】 加賀谷朋彦 かがやともひこ
ご意見・ご感想をお待ちしております。
kagaya@to-ki.jp

こちらのホームページも是非ご覧下さい。
http://www16.ocn.ne.jp/~kagaya/

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2008.7.1



| Home | 管理メニュー | メール管理 | <戻る> | かがや登記測量事
務所(東和コンサルタント株式会社内)<宇都宮>


バックナンバーリスト

2011/01/14(金) 第134回「相続した山林の場所がわからない」
2010/12/15(水) 第133回「30年前に建てた家は登記できるか」
2010/11/16(火) 第132回「国有地の払い下げ」
2010/11/01(月) 第131回「筆界特定後の筆界標の設置」
2010/10/01(金) 第130回「筆界特定後の措置とは」
2010/09/17(金) 第129回「筆界特定書とは」
2010/09/01(水) 第128回「特定調査とは」
2010/07/01(木) 第127回「論点整理とは」
2010/06/15(火) 第126回「現況把握調査とは」
2010/06/01(火) 第125回「基礎資料の内容と調査図素図とは」
2010/05/15(土) 第124回「事前準備調査とは」
2010/04/30(金) 第123回「進行計画の策定とは」
2010/04/15(木) 第122回「筆界の職権による調査とは」
2010/04/02(金) 第121回「筆界特定の標準処理期間とは」
2010/03/15(月) 第120回「筆界特定の手続き費用とは」
2010/02/01(月) 第119回「筆界特定の申請手数料とは」
2010/01/04(月) 第118回「1点のみの筆界特定の申請は可能か」
2009/12/15(火) 第117回「筆界特定の法的効力と手続きの構造」
2009/12/01(火) 第116回「筆界特定制度では筆界に争いがあるもの以外は扱わないのか」
2009/11/02(月) 第115回「筆界特定の方法とは」

総数:294件 (全15頁)

前20件 |<< 6 7 8 9 10 11 12 >>| 次20件