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2009/12/15(火)
第117回「筆界特定の法的効力と手続きの構造」
本 文
■■■■登記の加賀谷「土地建物の悩み相談Q&A」■■■■
こんにちは!
土地家屋調査士の加賀谷朋彦です。
今年最後のメール配信となりました。
来年も引き続き配信してまいりますので、ご購読をよろしくお願いいたします。
それでは、来年も皆様にとって良い年でありますように、お祈りいたします。
このメールは私と名刺交換していただいた方、「かがや登記測量事務所」
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★★★12月[第117回目]の悩み相談宅急便★★★2009.12.15
***「筆界特定の法的効力と手続きの構造」***
前回は「筆界特定制度では筆界に争いがあるもの以外は扱わないのか」についてその概要をお話ししました。
筆界特定制度を具体的に活用する場面で、実務上想定される内容についてお話しました。
例えば、隣地所有者が「立会に協力しない」あるいは「行方がわからい」など、必ずしも直接的な筆界紛争だけでない場合もありうる。というようなことをご紹介しました。
問い
──────────────────────────────
筆界特定の法的効力と手続きの構造について教えて下さい。
答え
──────────────────────────────
まず法的効力についてお話します。
筆界特定とは、筆界確定訴訟のように筆界を確定する効力はなく、また、行政処分性もありません。
加えて、筆界特定登記官には裁判官のような筆界の形成権限もなく、過去に定められた筆界線を探し出して、「一方の当事者の同意がない場合であっても、筆界についての公的な認定判断を示す制度である」つまり、公的な証明力を有するに留まるということです。
※「 」の引用は、民事月報Vol.60No.5「不動産登記法等の一部を改正する法律の概要」による。
(参考資料:「筆界特定制度関係Q&A集」日本土地家屋調査士会連合会編)
次に手続きの構造についてお話します。
筆界確定訴訟では、相隣接する土地所有者が原告被告となって主張や証拠を提出する当事者対立構造を採用し、裁判所が当事者の提出した証拠資料をもとに判断する構造とされています。
筆界特定においては、このような当事者対立構造をとらず、外部の専門家である筆界調査委員が必要な資料の収集を行うこととされています。
なぜ当事者対立構造をとらないのかは、次の理由に基づくからです。
1、筆界は公法上のものである(筆界は既に決まっているものであり、当事者の意志で自由になるものではない)こと。
2、適切な資料収集の必要性がある(資料収集を当事者のみに委ねていては合理的な筆界を見出せず適切な判断ができなくなるため職権による資料収集もある)こと。
3、隣人関係への悪影響(当事者対立構造をとり、隣人同士が両当事者として争うと、隣人関係に悪影響を及ぼす)こと。
以上の理由から、当事者対立構造をとることなく、申請人は筆界特定登記官に筆界特定を促すという構造になっています。
(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法令)
もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
今回はここまでです。
次回は、「1点のみの筆界特定の申請は可能か」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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私たち土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記測量の分野で深く関わっております。
今回のようなご相談は土地建物登記の専門家、土地家屋調査士をご活用下
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専任相談員 土地家屋調査士 加賀谷朋彦
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【発行責任者】 加賀谷朋彦 かがやともひこ
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2009.12.15
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