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2009/08/03(月)
第110回「筆界特定制度の筆界とは」
■■■■登記の加賀谷「土地建物の悩み相談Q&A」■■■■
こんにちは!
土地家屋調査士の加賀谷朋彦です。
梅雨は本当に明けてたのかなと思うほど、さんさんと照りつける太陽を待ち遠しく思っている今日この頃、皆さんは如何お過ごしでしょうか。
(7月15日の配信はお休みしてしまいました。失礼しました。)
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★★★8月[第110回目]の悩み相談宅急便★★★2009.8.1
******「筆界特定制度の筆界とは」******
前回は「筆界特定制度」についてその概要をお話ししました。
筆界特定制度は、土地の境界をめぐる紛争があった場合に、裁判に頼らずとも早期に解決できる画期的な制度であることなどをご紹介しました。
今回からは筆界特定制度の中身について、お話ししましょう。
問い
──────────────────────────────
筆界特定制度の「筆界」とは何ですか?
一般的に言う境界とは違うのですか?
答え
──────────────────────────────
土地の境界とは、ある土地と隣接する土地との境のことですが、大別すると「公法上の境界」と「私法上の境界」に分けられます。
この公法上の境界が筆界(ひつかい)となります。
筆界は、「登記」という法律に定められた手続きによって処理された境界である事から「公法上の境界」とも呼ばれ、個人の意志で勝手に変更することはできないことになっています。
この「筆界」で囲まれたひとつの土地を「一筆の土地」と呼び、地番によって区分されている事から、筆界は地番と地番の境と考えることもできます。
参考図1:
現在の土地の筆界は、
(1)明治初期の地租改正により原始的に創設されたもの
(2)その後分筆や合筆により形成されたもの
(市町村の国土調査や国の地図整備事業も含む)
(3)土地区画整理事業等による換地処分によって新たに形成されたもの
から構成されています。
また、土地の境界には、筆界のほかに土地所有者の所有権が及ぶ範囲の境(所有権界)があります。
参考図2:
通常は筆界と所有権界は一致しているのが原則ですが、一致しない場合があり得ます。
参考図3:
参考図4:
例えば、1筆の土地の一部について時効取得や譲渡が認められているため、筆界の変動がなくても、所有権界に変動が生じることがあります。
筆界特定制度は、その名のとおり筆界を対象とする制度ですから、所有権界の位置についての判断を示すことはできないということに注意が必要です。
もし、筆界特定の申請が所有権界に関する内容であった場合は、その申請は却下されます。
以上のことから筆界は境界(所有権の範囲)と一致することが多いのですが、一致しないこともあるので、きっちり区別して判断する必要があります。
(参考資料:法務省民事局パンフレット「筆界はどこ?」、日本加除出版株式会社「筆界特定制度一問一答と事例解説、日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士筆界特定実務の手引」)
もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
今回はここまでです。
次回は、筆界特定制度でいう「筆界の特定とは」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2009.8.1
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