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2009/11/26(木)

登記・測量のQ&A 第098号 「1点のみの筆界特定の申請は可能か」

■■■■登記の安養寺 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■

いつもご愛読いただきありがとうございます。
土地家屋調査士の安養寺 務(あんようじ つとむ)です。

さて、11月22日、鳥取県土地家屋調査士会と鳥取県弁護士会による境
界問題相談センターの設立式典が行なわれました。石破茂前大臣、平井知
事をはじめ、多くのご来賓を迎えて盛大な式典となりました。センターへ
の期待を感じました。
センターでは、土地境界紛争の問題の解決へ向け、土地家屋調査士と弁護
士が協働して業務にあたります。裁判で解決しようとする場合、期間が長
期に渡ったりすることが多々ありますが、それをできるだけ短期に解決す
ることを目指します。
まだ設立したばかりで実績がない機関ですが、境界の争いごとでお困りの
方は、ぜひセンターをご利用いただければと思います。
「境界問題相談セターとっとり」
 http://www12.ocn.ne.jp/~toricho/
 (鳥取県土地家屋調査士会サイト内リンク参照)


このメールは私と名刺交換していただいた方、私のホームページからお役
立ち情報をお申し込みいただいた方に、身近な事例として登記測量に役立
つメッセージをお届けしております。
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配信の申込み・変更・解除はこちらです。
http://www.to-ki.jp/anyoji/info.html

読者の皆様からの要望にお答えし「登記・測量のQ&A」をお届けしてお
ります。

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◆登記・測量のQ&A 第098号
「1点のみの筆界特定の申請は可能か」
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前回は「筆界特定の法的効力と手続きの構造」についてその概要をお話し
しました。

筆界特定制度には筆界を確定する効力や行政処分性がなく「過去に定めら
れた筆界線を探し出して公的な認定判断を示す制度」であり公的な証明力
を有するに留まるということ。

手続きの構造は、適切な資料収集の必要性があること、隣人関係への悪影
響を排除する観点から、「当事者対立構造を取らず」筆界特定登記官に筆
界特定を促す「申請人から筆界特定登記官に対して」という構造になって
いるというようなことをご紹介しました。

問い
────────────────────────────────
1点のみの筆界特定の申請は可能でしょうか。

参考図1:
 

答え
────────────────────────────────

不動産登記法で言う筆界とは、「登記された1筆の土地とこれに隣接する
他の土地との間において、当該1筆の土地が登記された時にその境を構成
するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」(第123条
1項)と定められています。

つまり、筆界特定の申請における筆界もまた、不動産登記法で言う筆界の
ことであり、当該1筆の土地が登記された時にその境を構成するものとさ
れた2以上の点及びこれらを結ぶ直線ということになります。

筆界線を構成する最低2点以上の直線でなければ申請の対象とならなず、
質問のような1点のみの筆界特定の申請をすることはできないことになり
ます。

参考図2:
 

(参考資料:「筆界特定制度関係Q&A集」日本土地家屋調査士会連合会
編)

現在、法務局では地図情報を数値化しコンピュータで管理しています。

具体的には、筆界点を公共座標(世界測地系座標)を用いて位置づけし、
筆界点の座標と結線データを収集することで、誤差の少ない復元能力を備
えた地図の構築を目指しています。

筆界特定においても、地図の数値化に伴い筆界確定訴訟のように「境界線」
を確定するというよりも、2点以上の筆界「点」と「結線情報」により、
複数の点を結ぶことで筆界線を特定するという立場をとっています。

(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法
令)

もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におた
ずねください。

今回はここまでです。

次回は、「筆界特定の申請手数料」について配信する予定です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。


────────────────────────────────


私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記・測量の分野で深く関わっております。

ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。

お電話又はホームページからご連絡いただきますと無料でご相談をお受け
しております。ただし、法務局等の調査が必要な場合は、登記印紙などの
実費は有料となります。(実費はおおむね5千円〜1万円程度です)
http://www.to-ki.jp/anyoji/

ただし、鳥取市を中心とした鳥取県内に限定させていただきますのでよろ
しくお願いします。

【発行所】
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┏━━━┓土地を識り、人と社会につくす地識人
┃\_/┃〜境界測量・土地建物登記の専門家〜 
┗━━━┛土地家屋調査士 安養寺 務
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