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2011/11/01(火)

登記・測量のQ&A NO.145「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」

■■■■登記の三坂 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■

土地家屋調査士の三坂 友章(みさかともあき)です。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

 11月3日(木)19時25分からのNHKテレビ「あしたをつかめ」という番組で土地家屋調査士の仕事が紹介されます。
 この番組は、社会へ出ることを考え始めた10代〜20代の方々に、様々なジャンルの職業を紹介し、その特徴や魅力について考えてもらう“仕事ガイダンス番組”です。
 登場するのは、プロフェッショナルでない、“普通の”20代の若者たち。
彼らが仕事の中で、何に悩み、どう乗り越えようとしているか、リアルに伝える番組です。
 どんな番組になっているか楽しみです。 
http://www.nhk.or.jp/shigoto/zukan/295/next.html

このメールは私と名刺交換していただいた方、私のホームページからお役立ち情報をお申し込みいただいた方に、身近な事例として登記測量に役立つメッセージをお届けしております。
http://www.to-ki.jp/misaka/

配信の申込み・変更・解除はこちらです。
http://www.to-ki.jp/misaka/oyakudachi/


読者の皆様からの要望にお答えし「登記・測量のQ&A」をお届けしております。

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◆登記・測量のQ&A 第145号
「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」
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前回は、「ADR境界問題相談センター」について概要をお話しました。

問い
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土地家屋調査士会には「ADR境界問題相談センター」があるそうですが、
裁判を利用した解決とどのように違うのでしょうか?

答え
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境界問題が発生する原因の多くが、所有権界と筆界の不一致にあります。

まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、「公法上の境界」とも呼ばれます。

次に「所有権界」ですが、これは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決めることができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。

このような場合を例にすると
http://www.to-ki.jp/center/useful/kiso034.asp

AとBの土地を兄弟で、それぞれ単独名義で相続したとします。

参考図のように、変更前の境界(筆界)のままだと土地の使い勝手が悪いので、兄弟で話し合い、お互いに使いやすいように境界を変更したとしましょう。

このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状態の境界が所有権界です。

このような「筆界」と「所有権界」が一致していない状態のまま放置しておき、第三者に売買したり、本人たちが亡くなり相続が発生した後に境界紛争に発展することがよくあります。

このような「所有権界」と「筆界」の問題を同時に処理し話し合いで解決する機関が「ADR境界問題相談センター」です。

ADR境界問題相談センターの利点は次のとおりです。

1、手続き当初から土地境界の専門家である土地家屋調査士と法律の専門家である弁護士の双方が関与することにより、専門的知識と経験の活用が図られます。

2、裁判と異なり、法律のみにとらわれず紛争の実態に合った柔軟な解決をすることができます。

3、合意成立後、地図や登記(分筆登記・所有権移転登記など)に合意内容を反映させることができます。

4、裁判と異なり手続きが非公開であるため、プライバシー保護が図られます。

5、手続きには申立費用、相談手数料、調停手数料、解決手数料、事案により調査・測量・境界鑑定・登記費用がかかりますが、一般裁判に比べると廉価になっています。

6、裁判等に比較すると、近隣関係への悪影響が少ないものといえます。

デメリットとしては、申し立ての相手方に出頭義務はなく、出頭の協力がないと手続きがストップするという点や、司法上の和解契約としての効力を有しますが、裁判所の民事調停のような確定判決と同じ効力はありません。

(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法令)


次回は「区分建物とは」についてです。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

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私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。

ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。

お電話又はホームページからご連絡いただきますと無料でご相談をお受けしております。ただし、法務局等の調査が必要な場合は、登記印紙などの実費は有料となります。(実費はおおむね5千円〜1万円程度です)
http://www.to-ki.jp/misaka/

ただし、宝塚市、伊丹市、川西市、尼崎市、西宮市、三田市、猪名川町、池田市に限定させていただきますのでよろしくお願いします。

【発行所】
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┏━━━┓土地を識り、人と社会につくす地識人
┃\_/┃〜境界測量・土地建物登記の専門家〜 
┗━━━┛三坂登記測量事務所
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┃|〒665-0866 兵庫県宝塚市星の荘3番21号
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┃|土地家屋調査士 三坂 友章
┃|e-mail misaka@to-ki.jp
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┃|http://www.to-ki.jp/misaka/

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