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2005/05/15(日)

第015回「縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか」

■■■■登記の加賀谷「土地建物の悩み相談Q&A」■■■■

こんにちは!
土地家屋調査士の加賀谷朋彦です。

今が、一年中で一番凌ぎやすく快適な季節ですね。でも、間もなく梅雨という鬱陶しい時期もやって来ます。梅雨に対する心の準備もはじめる季節ですね。

このメールは私と名刺交換していただいた方、「かがや登記測量事務所」
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★★★5月[第15回目]の悩み相談宅急便★★★2005.5.15

******「縄延び、縄縮みはなぜ起こるのか」******

問い
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最近、宅地を測量してもらったところ、登記簿の面積より少ないことがわかりました。

登記簿面積というのは常に正しいものだと思っていましたが、なぜ違うのでしょうか?

また、「縄延び、縄縮み」ということを具体的に説明して下さい。

答え
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縄延び、縄縮みが起こる要因には土地の歴史的な変遷が深く関わっている場合が多くあります。

日本で登記制度・土地台帳制度がスタートしたのは明治時代まで遡ります。


明治10年代から20年代初めのころ、短期間に測量して作られた土地台帳に土地の面積が書き込まれました。

それを元に昭和35年の登記簿と土地台帳が一元化されることになり、現代の登記簿に移行されることになりました。

(一元化になる前は、権利に関する事項が登記簿に記載され、面積等の表示は土地台帳に記載するというように分離して記録されていたのです)

したがって、明治時代の稚拙な測量技術で算出された面積が、そのまま現在の登記簿に反映している場合もあります。

一方、土地の面積は租税徴収の重要な資料でもあることから、当時の地主たちが意図的に少ない面積を報告して土地台帳に記載させていたこともあったことでしょう。

例えば、登記簿では200uの山林であったとしても、境界立会を行って実測してみたら、なんと2万uもあったということは良くある話です。

登記簿の面積は近年になって実施された測量によるもの、例えば土地区画整理法、土地改良法、国土調査法、地図整備事業等によるものは最新の成果になればなるほど正確な面積を表しています。

また、土地地積更正登記等が行われた土地、あるいは土地分筆登記が行われた分筆地は正しい面積を表わしています。

しかし、分筆後の残地が差し引き計算で処理している場合には、古い登記簿面積を引きずっていることになるので、必ずしも正しい面積を表しているとは言えません。

ご質問のケースはこれに該当しそうですね。登記所で地積測量図を閲覧してみると差し引き計算になっているかどうか調べることができます。

そのほかにも、隣地の人が何らかの理由で境界標を移動させたことがあるかもしれません。

あるいは道路工事の際に、抜いた杭を元の位置に戻さなかったこともあるかもしれません。

いずれにしても登記簿面積は常に正しいものとは限らないので、該当する土地の歴史や沿革を良く調査することが重要です。

以上のことをふまえながら、正しい土地の境界を調査・測量・登記することによって初めて登記簿は正しい面積を表すことができます。

次回は「境界標の種類について」です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

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私たち土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記測量の分野で深く関わっております。
今回のようなご相談は土地建物登記の専門家、土地家屋調査士をご活用下
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専任相談員 土地家屋調査士 加賀谷朋彦
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〒320-0027宇都宮市塙田4丁目6番6号
(東和コンサルタント株式会社内)
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 2005.5.15

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