お役立ち情報バックナンバー
2007/09/17(月)
登記・測量のQ&A NO.035「筆界と所有権界」
■■■■登記の都築 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の都築 功です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9月も中旬になり、まだ毎日暑いですが、朝晩はめっきり涼しくなりました。
秋がもうすぐそこまで来ているこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
我家の子供達は、もうすぐ小学校、保育園とも運動会があるので毎日いろいろ練習しているようです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールは私と名刺交換していただいた方、私のホームページからお役
立ち情報をお申し込みいただいた方に、身近な事例として登記測量に役立
つメッセージをお届けしております。
http://www.to-ki.jp/tsuduki/
配信の申込み・変更・解除はこちらです。
http://www.to-ki.jp/tsuduki
読者の皆様からの要望にお答えし「登記・測量のQ&A」をお届けしております。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
◆登記・測量のQ&A 第035号
「筆界と所有権界」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
前回は「国有地の払い下げを受けたとき」についてお話ししました。
使われなくなった旧里道や旧水路(国有地)で、宅地や田畑の一部になってしまっているものは、払い下げを受けることが可能であること、このような国有地のほとんどは未登記で、未登記国有地の払い下げを受けた場合には、土地の表題登記を申請しなければならないことなどをお話ししました。
今回は「筆界と所有権界」についてお話ししましょう。
問い
────────────────────────────────
土地の境界には2種類あると聞きましたが、どういう事なのでしょうか?
答え
────────────────────────────────
土地の境界は「筆界」と「所有権界」に分類することができます。
まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、「公法上の境界」とも呼ばれます。
次に「所有権界(しょゆうけんかい)」ですが、これは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決めることができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。
例えば、参考図のように、変更前の境界(筆界)のままだと土地の使い勝手が悪いので、お隣さんと話し合い、お互いに使いやすいように境界を変更したとしましょう。
参考図:
このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状態の境界が所有権界です。
上記の例のような「筆界」と「所有権界」が一致していない状態のまま放置しておくと、第三者に売買する場合や、本人が亡くなり相続が発生した後等に境界紛争に発展しかねません。
ですから、お隣との境界を変更した場合には、登記(分筆・所有権移転)をして、「所有権界」と「筆界」とを一致させておきましょう。
もし、お隣さんとの境界が「筆界」なのか「所有権界」なのかわからない場合には、お近くの土地家屋調査士にご相談ください。
以上、筆界と所有権界について簡単にご紹介しました。詳しくは、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
今回はここまでです。
次回は「傾斜地の筆界」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
────────────────────────────────
私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
【発行所】
愛知郡長久手町大字岩作字向畑60-3
都築測量登記事務所
土地家屋調査士 都築 功
TEL O561-64-2577 FAX 0561-64-2578
E-mail tsuduki@to-ki.jp
URL http://www.to-ki.jp/tsuduki/
バックナンバーリスト
2005/11/16(水) 新不動産登記法Q&A 第010号「土地の分筆登記が難しくなったって聞きましたが本当ですか?」
2005/11/02(水) 新不動産登記法Q&A 第009号 「法務局の地図が間違っていた時は、どうやって訂正すればいいの?」
2005/10/17(月) 新不動産登記法Q&A 第008号 「本人確認情報って、具体的にはどんな時に使うの?」その2
2005/10/03(月) 不動産登記法Q&A 第007号 「本人確認情報って、具体的にはどんな時に使うの?」
2005/09/15(木) 新不動産登記法Q&A 第006号 「改正前後で書面による申請に違いはあるのか」
2005/09/01(木) 新不動産登記法Q&A 第005号 「書面による申請はどうなるのか」
2005/08/16(火) 新不動産登記法Q&A 第004号 「オンライン登記申請の具体的方法とは」
2005/08/01(月) 新不動産登記法Q&A 第003号 「権利証の廃止について」
2005/07/14(木) 新不動産登記法Q&A 第002号 「オンライン登記所の指定とは」
2005/07/01(金) 新不動産登記法Q&A 第001号 「改正の背景と概要について」