お役立ち情報バックナンバー
2015/07/16(木)
登記・測量のQ&A NO.201「区分建物とは」
■■■■登記の都築 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の都築 功です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
◆登記・測量のQ&A 第201号
「区分建物とは」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
前回は、「主たる建物と附属建物」について概要をお話しました。
今回は、「区分建物」について概要をお話しします。
問い
------------------------------------------------------------------
分譲マンションのことを区分建物とも呼ぶそうですが、普通の一戸建ての建物とはどのように違うのでしょうか?
答え
────────────────────────────────
通常の建物は、1階部分をAさんが所有し、2階部分をBさんが所有する、というような登記はできませんが、区分建物はできます。
区分建物(くぶんたんてもの)とは、一棟の建物の一部を独立して所有することができる建物のことで、区分所有建物と呼ぶこともあります。
区分建物は、専有部分(せんゆうぶぶん)と共用部分(きょうようぶぶん)に区別されます。
専有部分とは、4階の2号室といった形で区切られた室内空間のことで、居住者が専有する部分です。
参考図1:
共用部分とは、エントランス(入り口)やエレベーター、外廊下など、居住者が共同で使う部分を指し、専有部分以外は全て共用部分となります。
参考図2:
尚、マンションが皆区分建物であるとは限りません。区分所有を目的としなければ、マンションであっても通常の建物として登記できます。例えば、賃貸を目的としたマンションなどがそうです。
逆に、区分所有を目的とするのであれば、昔ながらの棟割長屋、最近ではテラスハウス(複数の建物が連続してつながっている住宅)も区分建物として登記することができます。
ただし、建物を区分建物として登記するためには、「構造上の独立性」と「利用上の独立性」といった要件を満たす必要があります。
「構造上の独立」とは、壁や床、天井などで他の部分と区分されている状態をいい、「利用上の独立」とは、その区分建物が独立して利用できる状態であることをいいます。
これらの要件を満たしていない場合は、区分建物として登記できません(通常の建物として登記することはできます)ので、区分所有することはできません。
以上、区分建物について簡単にご紹介しましたが、実際に区分建物として登記する際には、様々な難しい判断を伴う場合があります。詳しくお知りになりたい場合は、お近くの土地家屋調査士にご相談ください。
今回はここまでです。
次回は「敷地権」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
────────────────────────────────
私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
【発行所】
愛知県日進市梅森台二丁目260番地
梅森ビル2階 日進測量設計(株)内
土地家屋調査士都築功事務所
土地家屋調査士 都築 功
TEL O52-848-8373 FAX 052-848-8374
E-mail tsuduki@to-ki.jp
URL http://www.to-ki.jp/tsuduki/
バックナンバーリスト
2016/10/06(木) 登記・測量のQ&A NO.245「土地区画整理事業とは」
2016/09/22(木) 登記・測量のQ&A NO.244「準都市計画区域とは」
2016/09/08(木) 登記・測量のQ&A NO.243「非線引き区域とは」
2016/08/26(金) 登記・測量のQ&A NO.242「市街化調整区域とは」
2016/08/11(木) 登記・測量のQ&A NO.241「市街化区域とは」
2016/07/28(木) 登記・測量のQ&A NO.240「都市計画区域とは」
2016/07/07(木) 登記・測量のQ&A NO.239「地籍調査とは」
2016/06/23(木) 登記・測量のQ&A NO.238「国土調査とは」
2016/06/09(木) 登記・測量のQ&A NO.237「ブルーマップとは」
2016/05/27(金) 登記・測量のQ&A NO.236「住居表示とは」
2016/05/12(木) 登記・測量のQ&A NO.235「用途地域とは」
2016/04/22(金) 登記・測量のQ&A NO.234「位置指定道路とは」
2016/04/07(木) 登記・測量のQ&A NO.233「分譲マンション土地の持分」
2016/03/24(木) 登記・測量のQ&A NO.232「マンション所有者と敷地の権利」
2016/03/10(木) 登記・測量のQ&A NO.231「分譲マンションの敷地はどこまでか」
2016/02/25(木) 登記・測量のQ&A NO.230「二世帯住宅の建物登記」
2016/02/12(金) 登記・測量のQ&A NO.229「仮換地上の建物の登記」
2016/02/04(木) 登記・測量のQ&A NO.228「違反建築物は登記できるか」
2016/01/28(木) 登記・測量のQ&A NO.227「プレハブ建物の登記」
2016/01/22(金) 登記・測量のQ&A NO.226「ビニールハウスは登記できるか」