• 都築測量登記事務所 トップページ
  • お役立ち情報バックナンバー

お役立ち情報バックナンバー

2014/05/16(金)

登記・測量のQ&A NO.145「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」

─────────────────────────────────

こんにちは。
事務を担当しています M です。
夫と娘2人の4人家族。身近な日々の出来事をお届けしています。

今年もうちの玄関脇の壁面にクレマチスの花が咲き始めました。
もともとここには、モンタナという種類の淡いピンクの花のクレマチスを植えており、毎春、つるが見えなくなるほどたくさん花を付け本当にきれいだったのですが、この品種はあまり寿命が長くないらしく残念ながら5年ほどで枯れてしまいました。

このモンタナですっかりクレマチスにはまり、その後も紫の大輪の花を咲かせる「有明」という名のクレマチスを植えましたが、これも数年で冬の強風で根元から枝が折れてしまいだめに・・。

そして3度目、今の釣鐘型で小花のタイプのクレマチスになりました。
これからしばらくの間、次々と花を咲かせて楽しませてくれると思います。

─────────────────────────────────
■■■■登記の都築 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■

土地家屋調査士の都築 功です。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
◆登記・測量のQ&A 第145号
「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
前回は、「ADR境界問題相談センター」について概要をお話しました。

問い
------------------------------------------------------------------
土地家屋調査士会には「ADR境界問題相談センター」があるそうですが、
裁判を利用した解決とどのように違うのでしょうか?

答え
------------------------------------------------------------------

境界問題が発生する原因の多くが、所有権界と筆界の不一致にあります。

まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、「公法上の境界」とも呼ばれます。

次に「所有権界(しょゆうけんかい)」ですが、これは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決めることができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。

このような場合を例にすると
http://www.to-ki.jp/center/useful/kiso034.asp

AとBの土地を兄弟で、それぞれ単独名義で相続したとします。

参考図のように、変更前の境界(筆界)のままだと土地の使い勝手が悪いので、兄弟で話し合い、お互いに使いやすいように境界を変更したとしましょう。

このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状態の境界が所有権界です。

このような「筆界」と「所有権界」が一致していない状態のまま放置しておき、第三者に売買したり、本人たちが亡くなり相続が発生した後に境界紛争に発展することがよくあります。

このような「所有権界」と「筆界」の問題を同時に処理し話し合いで解決する機関が「ADR境界問題相談センター」です。

ADR境界問題相談センターの利点は次のとおりです。

1、手続き当初から土地境界の専門家である土地家屋調査士と法律の専門家である弁護士の双方が関与することにより、専門的知識と経験の活用が図られます。

2、裁判と異なり、法律のみにとらわれず紛争の実態に合った柔軟な解決をすることができます。

3、合意成立後、地図や登記(分筆登記・所有権移転登記など)に合意内容を反映させることができます。

4、裁判と異なり手続きが非公開であるため、プライバシー保護が図られます。

5、手続きには申立費用、相談手数料、調停手数料、解決手数料、事案により調査・測量・境界鑑定・登記費用がかかりますが、一般裁判に比べると廉価になっています。

6、裁判等に比較すると、近隣関係への悪影響が少ないものといえます。

デメリットとしては、申し立ての相手方に出頭義務はなく、出頭の協力がないと手続きがストップするという点や、司法上の和解契約としての効力を有しますが、裁判所の民事調停のような確定判決と同じ効力はありません。

(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法令)


次回は「区分建物とは」についてです。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

────────────────────────────────

私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。

ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。



【発行所】
愛知県長久手市岩作向田22-2
 都築測量登記事務所
  土地家屋調査士 都築 功

TEL O561-64-2577 FAX 0561-64-2578
E-mail tsuduki@to-ki.jp
URL http://www.to-ki.jp/tsuduki/

バックナンバーリスト

2015/03/26(木) 登記・測量のQ&A NO.185「地目変更登記とは」
2015/03/19(木) 登記・測量のQ&A NO.184「地図訂正の申出とは」
2015/03/12(木) 登記・測量のQ&A NO.183「地積更正登記とは」
2015/03/05(木) 登記・測量のQ&A NO.182「境界確定図とは」
2015/02/26(木) 登記・測量のQ&A NO.181「境界標とは」
2015/02/19(木) 登記・測量のQ&A NO.180「分筆登記とは」
2015/02/12(木) 登記・測量のQ&A NO.179「筆界未定地とは」
2015/02/05(木) 登記・測量のQ&A NO.178「地積測量図とは」
2015/01/29(木) 登記・測量のQ&A NO.177「地籍とは」
2015/01/22(木) 登記・測量のQ&A NO.176「地積とは」
2015/01/15(木) 登記・測量のQ&A NO.175「地目とは」
2015/01/08(木) 登記・測量のQ&A NO.174「海に突き出た土地の扱い」
2014/12/19(金) 登記・測量のQ&A NO.169「登記される事項」
2014/12/11(木) 登記・測量のQ&A NO.168「表題登記とは」
2014/12/04(木) 登記・測量のQ&A NO.167「表示に関する登記の種類」
2014/11/28(金) 登記・測量のQ&A NO.166「表示に関する登記とは」
2014/11/14(金) 登記・測量のQ&A NO.165「登記とは」
2014/11/07(金) 登記・測量のQ&A NO.164「建築協定とは」
2014/10/31(金) 登記・測量のQ&A NO.163「建築確認とは」
2014/10/24(金) 登記・測量のQ&A NO.162「建築限界とは」

総数:450件 (全23頁)

前20件 |<< 11 12 13 14 15 16 17 >>| 次20件