お役立ち情報バックナンバー

2014/09/17(水)

登記・測量のQ&A 第214号 「筆界と所有権界」

土地家屋調査士の杉森広高(すぎもりひろたか)です。

いつもご愛読いただきありがとうございます。

昨日は北海道の大雪山系旭岳の初冠雪を観測。
仕事上、根雪の心配をする時期が近づいています。
一方、群馬県の館林などは気温が30度を超え、関東は1週間ぶりの真夏日。
日本は広いですね・・・

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◆登記・測量のQ&A 第214号
「筆界と所有権界」
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前回は、「国有地の払い下げを受けたとき」について概要をお話しました。
今回は、「筆界と所有権界」について概要をお話しします。

問い
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土地の境界を表す言葉として「筆界」と「所有権界」があると聞きましたが、両者の違いは何でしょうか?


答え
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まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、「公法上の境界」とも呼ばれます。

次に「所有権界(しょゆうけんかい)」ですが、これは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決めることができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。

この「筆界」と「所有権界」が一致していれば問題はないのですが、一致しない状態になると、トラブルを招く恐れが出てきます。

例えば、変更前の境界(登記された筆界)のままだと土地の使い勝手が悪いので、お隣さんと話し合い、お互いの土地の一部を交換して、使いやすい形に境界を変更したとしましょう。

参考図:
 

このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状態の境界が所有権界です。

お隣さんとの話し合いで境界を変更しても、法務局に登記された境界(筆界)が変更前のままだと「筆界」と「所有権界」が一致していない状態になります。

このまま放置しておくと、第三者に売買する場合や、本人が亡くなり相続が発生した後等に境界紛争に発展しかねません。

この場合、境界の変更結果を登記(分筆・所有権移転)して「所有権界」と「筆界」を一致させる事でトラブルを防止することができます。

もし、お隣さんとの境界が「筆界」なのか「所有権界」なのかわからない場合には、お近くの土地家屋調査士にご相談ください。

以上、筆界と所有権界について簡単にご紹介しました。詳しくは、お近くの土地家屋調査士におたずねください。

今回はここまでです。
次回は「傾斜地の筆界」について配信する予定です。

どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。

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登記・測量の分野で深く関わっております。

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