お役立ち情報バックナンバー
2017/05/10(水)
守田靖昭お役立ち情報_登記測量Q&A145
■■■■■登記の守田「登記測量のQ&A」■■■■■
こんにちは。
土地家屋調査士の守田靖昭です。
休日、子ども達とお友達の家族とみんなで大型ショッピングモールへお出かけ。
連休ともなると人が多く、いろんなイベントも盛りだくさん。
「じゃあ3時にココに集合ね」
行きたいところ、はぐれる可能性を考え時間と場所を決める。
小学生グループは心配なので一緒に付いて回る。
人ごみの中でちょろちょろ動き回るので脇見もできない。
「あ、見失った」
辺りを見回すが見つけられない。
しかたなく集合場所で待つことに。
しばしココで待機。
「おとうさ〜ん」
遠くから声がする。
子ども達が駆け寄ってきて
「おとうさん、なん迷子になりよんね!」
「いやいや、迷子はお前達やろ」
「一人でおらんくなったやろ。迷子はおとうさんなの!」
え?
人数の問題?
なんだか迷子の定義が分からんくなってきたぞ!(笑)
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このメールは私と名刺交換していただいた方、「あなたの街の登記測量相談センター福岡・香椎窓口」http://to-ki.jp/morita/からお役立ち情報をお申し込みいただいた方に、身近な問題として登記測量に役立つメッセージをお届けしたいと思います。
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◆登記・測量のQ&A 第145号
「境界問題相談センターと裁判所の解決の違いとは」
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前回は、「ADR境界問題相談センター」について概要をお話しました。
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問い
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土地家屋調査士会には「ADR境界問題相談センター」があるそうですが、
裁判を利用した解決とどのように違うのでしょうか?
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答え
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境界問題が発生する原因の多くが、所有権界と筆界の不一致にあります。
まず「筆界(ひっかい)」とは、法務局に登記されている地番と地番の境のことで、個人の意思で勝手に変更することはできません。筆界は法務局に備え付けられている図面で確認することができ、「公法上の境界」とも呼ばれます。
次に「所有権界(しょゆうけんかい)」ですが、これは土地の所有権の及ぶ範囲の境を意味し、お隣さんとの話し合いで自由に決めることができます。所有権界は「私法上の境界」とも呼ばれます。
このような場合を例にすると
http://www.to-ki.jp/center/useful/kiso034.asp
AとBの土地を兄弟で、それぞれ単独名義で相続したとします。
参考図のように、変更前の境界(筆界)のままだと土地の使い勝手が悪いので、兄弟で話し合い、お互いに使いやすいように境界を変更したとしましょう。
このとき、変更結果をまだ登記(分筆・所有権移転)していない状態の境界が所有権界です。
このような「筆界」と「所有権界」が一致していない状態のまま放置しておき、第三者に売買したり、本人たちが亡くなり相続が発生した後に境界紛争に発展することがよくあります。
このような「所有権界」と「筆界」の問題を同時に処理し話し合いで解決する機関が「ADR境界問題相談センター」です。
ADR境界問題相談センターの利点は次のとおりです。
1、手続き当初から土地境界の専門家である土地家屋調査士と法律の専門家である弁護士の双方が関与することにより、専門的知識と経験の活用が図られます。
2、裁判と異なり、法律のみにとらわれず紛争の実態に合った柔軟な解決をすることができます。
3、合意成立後、地図や登記(分筆登記・所有権移転登記など)に合意内容を反映させることができます。
4、裁判と異なり手続きが非公開であるため、プライバシー保護が図られます。
5、手続きには申立費用、相談手数料、調停手数料、解決手数料、事案により調査・測量・境界鑑定・登記費用がかかりますが、一般裁判に比べると廉価になっています。
6、裁判等に比較すると、近隣関係への悪影響が少ないものといえます。
デメリットとしては、申し立ての相手方に出頭義務はなく、出頭の協力がないと手続きがストップするという点や、司法上の和解契約としての効力を有しますが、裁判所の民事調停のような確定判決と同じ効力はありません。
(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法令)
今回はここまでです。
次回はどのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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