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お役立ち情報バックナンバー

2011/12/08(木)

「1点のみの筆界特定の申請は可能か」

問い
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1点のみの筆界特定の申請は可能でしょうか。

参考図1:
 




答え
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不動産登記法で言う筆界とは、「登記された1筆の土地とこれに隣接する
他の土地との間において、当該1筆の土地が登記された時にその境を構成
するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」(第123条1項)
と定められています。

つまり、筆界特定の申請における筆界もまた、不動産登記法で言う筆界の
ことであり、当該1筆の土地が登記された時にその境を構成するものとさ
れた2以上の点及びこれらを結ぶ直線ということになります。

筆界線を構成する最低2点以上の直線でなければ申請の対象とならなず、
質問のような1点のみの筆界特定の申請をすることはできないことになります。

参考図2:
 

(参考資料:「筆界特定制度関係Q&A集」日本土地家屋調査士会連合会編)

現在、法務局では地図情報を数値化しコンピュータで管理しています。

具体的には、筆界点を公共座標(世界測地系座標)を用いて位置づけし、筆界
点の座標と結線データを収集することで、誤差の少ない復元能力を備えた地図
の構築を目指しています。

筆界特定においても、地図の数値化に伴い筆界確定訴訟のように「境界線」を
確定するというよりも、2点以上の筆界「点」と「結線情報」により、複数の
点を結ぶことで筆界線を特定するという立場をとっています。

(参考資料:「筆界特定完全実務ハンドブック」弁護士鈴木仁史著日本法令)