お役立ち情報バックナンバー
2007/09/10(月)
登記・測量のQ&A 第045号 「分筆できない土地」
■■■■登記の安養寺 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の安養寺 務(あんようじ つとむ)です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
さて、先日、土地家屋調査士会の研修会がありました。テーマはADRに
ついての内容でしたがいろいろ考えさせられることだらけでした。
ADR…。和訳すると裁判外紛争解決手続…というような感じですが、難
しいですよね。要するに「民間団体等がお手伝いして、裁判所以外で、揉
め事の和解しましょ!」ということらしいのです。
でも、民間の手続を利用するメリットって一体なんだろうかと考えると、
意外と思いつきません。手続費用に公的資金は投入されませんので、費用
は当事者の方にご負担いただきます。よって手続費用は裁判より高いこと
になります。しかも、民間では判決は出ませんので、結果に強制力があり
ません。
今後、私はこの制度の代理人(当然土地境界の紛争のみです)として頑張
っていく予定ですが、私たちの職域を広げるためだけに制度ができるとし
たら、それはその制度を利用して紛争解決をしたい利用者には迷惑な話で
す。この制度の運営には相当倫理観が求められますが、今の私たちで大丈
夫だろうか?と思わずにはいられませんでした。
このメールは私と名刺交換していただいた方、私のホームページからお役
立ち情報をお申し込みいただいた方に、身近な事例として登記測量に役立
つメッセージをお届けしております。
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読者の皆様からの要望にお答えし「登記・測量のQ&A」をお届けしてお
ります。
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◆登記・測量のQ&A 第045号
「分筆できない土地」
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前回は「合筆の場合の地番の付け方」についてお話ししました。
合筆した土地の地番は、合筆前の首位の地番をもってその地番とすること、
合筆の登記には制限事項があることなどをお話ししました。
今回は「分筆できない土地」についてお話ししましょう。
問い
────────────────────────────────
土地の分筆は、その土地の所有者の意思でできると聞きましたが、分筆が
制限されることは無いのでしょうか?
答え
────────────────────────────────
土地の分筆に関しては、法律には明確な制限事項はありません。
しかし実務上は、分筆後の土地の地積が0.01平方メートル未満となる分筆
登記は、申請することができないとされています。
その理由としては、次のようなものがあります。
(1)土地の登記簿には、土地の地積が表示されますが、地積を表す際の
最小単位は「一平方メートルの百分の一」(0.01平方メートル)で、それ
未満は切り捨てられることになっています。
例えば、実際に0.0099平方メートルの土地があったとしても、登記簿には
「0.00平方メートル」と表示されることになります。
ですから、地積が0.01平方メートル未満となる分筆登記は、申請すること
ができない、と解釈する事ができます。
(2)分筆登記がなされると、公図(地図)にも分筆した線が引かれます。
例えば、正方形をした0.01平方メートルの土地があったとすると、その土
地の1辺の長さは、0.1m(10cm)になります。
この土地を、縮尺 1/500 の公図(地図)に書き込んだとしたら、図上で
は、1辺の長さが 0.2mm になってしまいます。
これでは公図(地図)から現地を特定することはできません。
ですから、地積が0.01平方メートル未満となる分筆登記は、申請すること
ができない、と解釈する事ができます。
以上、分筆登記を申請できない場合について簡単にご紹介しましたが、
もっと詳しくお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士に
おたずねください。
今回はここまでです。
次回は「合筆できない土地」について配信する予定です。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
────────────────────────────────
私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、
登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
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しております。ただし、法務局等の調査が必要な場合は、登記印紙などの
実費は有料となります。(実費はおおむね5千円〜1万円程度です)
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