お役立ち情報バックナンバー
2009/05/29(金)
◆登記・測量のQ&A 第010号
■■■■登記の吉野 お役立ち情報「登記・測量のQ&A」■■■■
土地家屋調査士の吉野清明です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
読者の皆様からの要望にお答えし「登記・測量のQ&A」をお届けしております。
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「地役権って何?」
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前回は「住居表示」についてお話ししました。
住居表示とは、住所をわかりやすくするための法律「住居表示に関する法律」に基く新しい住所のことで、住居表示が実施されても「土地の地番」が変わったり、なくなったりすることはないことなどをお話ししました。
今回は「地役権」についてお話ししましょう。
問い
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私の隣人は、私の土地の一部を通路として利用しています。その隣人は親戚なので、特に契約などすることなく無償で使わせていたのですが、先日「使用料を払うので地役権を設定して欲しい」と言われました。
この「地役権」とはどういうものなのでしょうか?
また、隣人は何でこのようなことを言い出したのでしょうか?
答え
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地役権(ちえきけん)とは、自分の土地にとって都合がいいように他人の土地を利用することができる権利のことです。
地役権の目的は、他人の土地から水を引いたり、他人の土地に高い建物を建てさせないようにするなど、様々な目的で設定することができますが、特に他人の土地を通行することを目的とした地役権のことを通行地役権(つうこうちえきけん)と言います。
地役権の設定は、利用する側の土地の所有者と利用される側の土地の所有者との間で「地役権設定契約」を結ぶのが一般的です。この場合、利用によって利益を得る側の土地を要役地(ようえきち)と呼び、利用される側の土地は承役地(しょうえきち)と呼びます。
参考図:
地役権設定契約を結ぶと、要役地(A地)の所有者がその土地を売買しても、新しいA地の所有者は通路部分の通行地役権を継承できます。
しかし、承役地(B地)の所有者がその土地を売却してしまうと、A地の所有者は新しいB地の所有者に地役権の主張ができなくなってしまいます。
このようなことにならないようにするためには、地役権の設定登記をしておく必要があります。
地役権を登記することで、承役地(B地)の所有者が第三者に土地を売却した場合であってもA地の所有者は新しいB地の所有者に地役権を主張できるようになります。
さて、設問の件ですが、お隣さんは、あなたが土地を第三者に売却しても通路部分を利用できるようにするために、地役権の設定登記をしたいと考えているのではないでしょうか。
ちなみに、地役権設定登記は司法書士の業務ですが、実際には土地家屋調査士の協力が必要になります。土地家屋調査士は法務局等の資料調査や現地調査を実施し、必要に応じて境界確定測量、分筆登記、あるいは地役権図面を作成します。
その他「地役権」についてお知りになりたい場合には、お近くの土地家屋調査士におたずねください。
今回はここまでです。
どのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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私達、土地家屋調査士は市民生活と密接に関係する土地・建物について、登記・測量の分野で深く関わっております。
ご質問、ご相談は、土地家屋調査士事務所をご活用下さい。
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