お役立ち情報バックナンバー
2017/08/28(月)
守田靖昭お役立ち情報_登記測量Q&A147
■■■■■登記の守田「登記測量のQ&A」■■■■■
こんにちは。
土地家屋調査士の守田靖昭です。
家の中が妙に片付いてる。
夏休みということもあって、娘の友達が3人ウチにお泊りするようだ。
なるほど、どうりで。
夕方からポツポツ集まりだしてみんなで晩御飯。
リビングで賑やかに始まる女子会。
息子二人は合宿やら試合やらで外泊。
女の子4人に女房まで混じってキャピキャピ。
こうなるとオヤジは居場所がなくなる。
こんなときに限って夜に出ごとがないんだなぁ。
寝室で静かに本でも読んで、早く寝よっ!(-_-)zzz
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◆登記・測量のQ&A 第147号
「敷地権とは」
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前回は、「区分建物」について概要をお話しました。
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問い
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最近マンションを購入したのですが、登記簿を見ると「敷地権」という表示がありました。これはどういうものなのでしょうか?
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答え
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建物を建てるためには、土地が必要ですね。この建物の建っている土地を「敷地」と呼びます。そして、建物の所有者は、その敷地についても所有権や地上権などの、建物を建てることができる権利を持っているのが普通です。
この事は、マンションのような区分建物でも同じなのですが、区分建物の所有者が持っている敷地の権利(所有権や地上権など)を「敷地利用権(しきちりようけん)」と呼びます。
通常の建物であれば、その敷地と建物はそれぞれ独立した不動産として別々に登記されていますので、例えば、一戸建て住宅とその敷地を所有していた人が、土地だけを売却したり、建物だけを売ることもできます。
参考図1
通常の建物
しかし、分譲マンションのような区分建物の登記簿には、その敷地に関する権利(敷地利用権)も一緒に登記されていて、専有部分と敷地の権利(敷地利用権)は分離して処分することができない扱いとなっています。
つまり、マンションを売り買いすると、その敷地の権利(敷地利用権)も一緒に売り買いされる仕組みになっているのです。
参考図2
区分建物
なぜこのような扱いをするのかというと、区分建物について、従来のように土地と建物を別々に登記すると、非常に複雑でわかりにくい登記になってしまうからです。
なぜ従来通りだと複雑になるのか、少し詳しく書きます。
マンションの戸数は1棟で50戸とか100戸あるのは普通ですが、そのマンションが建っている敷地の権利(敷地利用権)は、全戸の所有者で共有することになります。
これを従来のように、土地と建物を別々に登記するものとすると、マンション各戸の登記簿は別々に存在するのに、その敷地は共有なので、(その敷地が一筆の場合)土地の登記簿は一つしか存在しないことになります。
このような状態で、マンション各戸が売買されたり担保が設定されたらどうなるでしょうか?
建物登記簿は、各戸が独立して存在していますのでそれぞれに記載されることになり、特に問題はありませんが、土地は共有ですので、各戸全ての登記が一つの土地登記簿に記載されることになります。
すると、マンション各戸が売買されたり担保が設定さるたびに、同一の土地登記簿に所有権移転登記や抵当権設定登記がされることになり、その記載内容が膨大となって、非常に複雑かつわかりにくい登記になってしまうのです。さらに、記載ミスや読み間違いといったトラブルが起きる危険性も増加します。
このような問題を解消するため、「敷地利用権と専有部分の一体化」が導入されたのです。
これにより、敷地利用権が常に専有部分と一緒に売買されることになりましたので、所有権移転登記などは、区分建物の登記簿のみに記載し、土地登記簿には記載しない扱いとなり、登記事務が簡略化され、登記簿上での権利確認も容易になりました。
さて、設問の『敷地権(しきちけん)』についてですが、敷地権とは、区分建物の登記簿に登記された、専有部分と一体化された敷地利用権のことを、不動産登記法では敷地権といいます。
以上、敷地権について簡単にご紹介しましたが、実際には、規約で専有部分と敷地利用権とを分離して処分できる場合もあり複雑です。
今回はここまでです。
次回はどのような内容なのか、楽しみにお待ち下さい。
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